小野直樹フットサル持論独論のブログ

フットサル監督小野直樹の競技からエンジョイまでフットサルに関する独自の持論を展開するブログ

AFC女子フットサル選手権タイ2018

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タイで開催されたAFC女子フットサル選手権を観てきました!

日本の女子フットサルに関わる者の一人として、アジアレベルの女子フットサルを確認したかったのです。

 

今回は決勝戦、日本代表vsイラン代表について書いてみました。

 

 

結果は2-5でイラン代表の勝利で、日本代表は残念ながら準優勝でした。

試合は前半を終えて0-0と緊迫したまま、後半へと入りました。

前半の戦いを見て、2つのことを想像しました。

 

イランのサイドでのルーズなマークを日本がうまく利用して先制点を奪い、強引に攻めるイランに対して、カウンターから追加点か、辛くも守り切り勝利する日本代表。

 

ステマティックな日本の攻撃のパス・ドリブルをカットしてカウンター攻撃から個の力を活かして先制するイランに、焦りから失点を重ねる日本代表。

 

残念ながら悪い想像が現実となってしまいました。

 

まずは木暮監督はじめ選手、スタッフの皆様、お疲れ様でした。

短い準備期間の中、準決勝のタイ戦は超アウェイ、しかも苦しい展開ながらしっかりと勝利して決勝進出はお見事でした。

 

勝戦での「差」

 

僕は、「一貫性」と「攻撃優先の守備」だと思いました。

監督が代わるたびに選手も戦術も変わる。もちろん監督が代わればやり方も変わるけど日本女子フットサルのスタンダードも作れないまま監督、選手がその都度変わるのならば、イランとの距離、いや、タイ、ベトナムウズベキスタンインドネシアなどのアジアの国々とのそれは開いていくと思います。

 

【一貫性】

日本女子フットサルリーグが昨年度、正式にスタートしました。

協会、連盟はなぜ、女子の全国リーグをスタートしたのか?

「日本代表の強化」

 

ならば我々、日本女子リーグ所属クラブがもっと各クラブの色を明確に出しながら、そのスタイルで勝負していかなければと。

つまり、指導者講習会で教えてもらう原則的なものでなく、各監督のオリジナリティの中で勝てるクラブ作りや戦術・戦略を出していくべきだと強く感じました。

 

そして協会も、そんな日本女子リーグのクラブと海外組から日本代表選手を選出する英断を下してほしい。

今回、さいたまSAICOLOから選ばれなかったから言うのではなく、目先の大会で優勝を狙うことよりも、代表強化の基盤を作ってほしいから。

 

そうなれば、代表を目指したい選手やクラブはなんとかして日本女子リーグに加わるし、つまりは日本女子フットサルの最高の選手やクラブの集まったリーグとなり、そこでホーム&アウェイで切磋琢磨することが代表の強化になりうると思います。

 

【攻撃優先の守備】

冒頭で、「イランのサイドでのルーズなマーク」と書きましたが、これはルーズではなく、意図的であったと思いました。

 

普段の僕は、守備時に、ボールと相手マーカーを同一視野に入れろと口酸っぱく言います。つまり、自分のマークする相手にボールが向かったらプレスを掛けるようにと。

 

しかしながら、イランのそれは相手マーカーではなく、パスやドリブルのラインに対してプレスを掛ける。

 

ルーズと思われたマーカーにボールが渡れば、GKや他のFPがカバーに走る。

しかし、相手ボールをカットしたら、瞬間に数的優位を作り出せていた。

 

守備でリスクを冒しながら、相手ボール奪取とともにいち早く、深さを作って脅威を与えていたイランに常識的(フットサル的に)な自分の守備戦術にまた違うテイストを与えてもらいました。

 

タイもまた独自の守備スタイルも持っていて、攻撃のシステムでは日本が一番だったけれども勝利のための戦略は必ずしも一番とは思えなかったことは否めません。